今季から新参入のフウガドールすみだがエスポラーダ北海道に快勝 [写真]=本田好伸
22日、Fリーグ オーシャンカップ2014が開幕。例年、愛知県のオーシャンアリーナで行われてきたが、今年から会場を移し、「~北條初夏の陣 wz WARRIOR~ Fリーグ オーシャンカップ2014 in 小田原アリーナ」と銘打って開催された。大会は25日までの4日間に渡ってノックアウト方式のトーナメントで争われ、Fリーグの12チームと地域リーグを代表する2チームを加えた14チームが激闘を繰り広げる。
本大会はリーグの前哨戦の意味も持つカップ戦だが、今シーズンのリーグ戦が約1カ月後の6月27日に開幕するために、シーズンが始動したばかりの各チームにとっては戦力確認や調整の場という側面も含んでいる。実際、直前までAFCフットサル選手権大会を戦ってきた日本代表メンバーの出場を控えるチームも見られた。しかし、紛れもないタイトルを懸けた大会であり、各試合はそれぞれ激しい攻防が展開された。
もう一つ、本大会には地域リーグのチームも参加するという側面がある。出場したファイルフォックス府中とミキハウスフットサルクラブは、2月に行われた地域ナンバーワンを決める大会、地域チャンピオンズリーグで2位と3位を手にしたチーム(大会はフウガすみだが優勝したために2位と3位が出場 ※「フウガすみだ」は大会当時の名称)。チャレンジャーである彼らが、Fリーグのチームにどんな戦いを挑むのかという点は、大会の大きな見どころとなっていた。
そして初戦のこの日に登場した両地域チームが奮闘した。ヴォスクオーレ仙台と対戦したミキハウスは、試合終盤まで互角の戦いを繰り広げると、2−2で迎えた後半36分に大畠翼のゴールで勝ち越し、見事に勝利を収めた。「前日の仕事が終わって、半数近くは(夜中の)3時過ぎに(宿舎に)到着した。(試合は9時半キックオフであり)コンディションが悪い中でも、『一発勝負のこの試合に集中しよう』とみんなで話し、チーム全員で乗り切ることができた」(高橋正則監督)と、不利を感じさせない気迫の込もった試合を披露していた。
一方のファイルフォックスも、昨シーズンにリーグ2位となったバサジィ大分に肉薄した。序盤から真っ向勝負を挑むと前半を1−1で折り返し、最後は日本代表の小曽戸允哉に強シュートを決められ勝ち越しを許したものの、最後の最後まで1点を争う好ゲームを演じた。「Fリーグは必ず出られるが、僕らは1年間のリーグを死にものぐるいで戦って地域の代表となり、それで出場した地域チャンピオンズリーグで上位2チームになった者だけが今大会への出場権を与えられる。だから僕たちのように地域で戦っているすべてのチームにとって、この大会は特別なもの。大分に勝てなくて悔しいし、出られなかった他の地域のチームには申し訳なく思う。でもすべてを出し切って戦ったので、結果には納得している」(吉成圭選手兼監督)と胸を張った。
Fリーグ勢で注目を集めたのは、今シーズンからリーグに新参入したフウガドールすみだの戦いだった。エスポラーダ北海道と対戦したすみだは、攻守が激しく入れ替わるスピーディーな展開で最後まで試合を主導し、3−0で完封勝利を収めた。「北海道という尊敬しているチーム、小野寺(隆彦)監督との試合を前にワクワクしていた。選手にも『自分たちが楽しんでプレーしていないと見ている人も楽しくないから試合を最高に楽しもう』と話していた。それを体現し、楽しみながら勝つというフウガならではの試合を披露できた」(須賀雄大監督)と、会場の興奮を誘う試合を演じていた。
大会は23日に2日目を迎え、前回王者の名古屋オーシャンズと地元の湘南ベルマーレが登場する。果たして3日目の準決勝に駒を進めるのはどのチームか。いよいよ開幕したシーズンの、最初のタイトルが決まる争いを見逃せない。
~北條初夏の陣 wz WARRIOR~ Fリーグ オーシャンカップ2014 in 小田原アリーナ
開催日:2014年5月22日〜25日
会場:小田原アリーナ/神奈川県
[1日目試合結果]
ヴォスクオーレ仙台 2-3 ミキハウスフットサルクラブ
シュライカー大阪 4-0 デウソン神戸
府中アスレティックFC 9-2 アグレミーナ浜松
バサジィ大分 2-1 ファイルフォックス府中
ペスカドーラ町田 8-5 バルドラール浦安
フウガドールすみだ 3-0 エスポラーダ北海道
[2日目対戦カード]
10:00 名古屋オーシャンズ vs ミキハウスフットサルクラブ
12:00 シュライカー大阪 vs 府中アスレティックFC
14:00 バサジィ大分 vs ペスカドーラ町田
16:00 フウガドールすみだ vs 湘南ベルマーレ
写真・文◆本田好伸